お金は証明書

多くの人は「お金に価値がある」と思っていますよね？

確かに１万円持ってれば１万円の食べ物とでも洋服とでも交換できるわけですから、そう考えていても困ることは無いかもしれません。

でも、本当はお金そのものに価値があるわけじゃないんです。

人がお金に価値を与える

あ、だからといって「愛はお金よりも大事！」とかそんな話じゃないですよ？（笑）

正確な意味で考えると、お金は色々なものと交換できる「引き換え券」みたいなもんで、下手をすれば価値が無くなる可能性もあるっていうことが言いたいんです。

分かりやすくするために、お金と本当に価値がある他のものとの差を考えてみましょう。

たとえばあなたが１万円分のお米と1万円札の両方を持っていたとします。

で、ある日、いきなり日本銀行が「今まで発行したお金は無効にしちゃうよ」と言い出した！
まあ、実際にはそんな事は無いと思いますけど、そうなったと想像してください。

そうすると、お金はあくまでも政府が発行している証明書。

別の言い方をするとチケットのようなものだから、ただキレイな絵が印刷された紙でしかなくなっちゃう。

ちゃんと認められた通貨じゃないからお店だって商品とは交換してくれなくなるし、自販機なんかでも使えない。

そうすると、せいぜい折り紙とか観賞用くらいの悲しい存在になってしまうわけです。

それ自体に価値がある物とは

でも、お米の方はちがいます。

例えば農業組合が（誰でもいいんですが）「今後、お米の価値を認めません」と言っても、食べられなくなる訳でもなければ、生きていく上で役に立つという価値も変わらない。

イザとなったら物々交換で他のものに変えることも可能なわけです。
これこそ本当の「モノの価値」というものでしょう。

もちろん、これは極端な話です。

けど、「お金の価値が変わる」ということは本当にあるんです。

例えば北朝鮮やジンバブエという国では、おかしな政治のせいで紙幣が紙くず同然の価値になるということが本当に起こりました。

「そんな事、日本ではありえないよ」
と言われれば確かにそうかも知れません。

それでも、日本円が米ドルに対して安くなったり、日本国内でも物価がすごく上がったりすれば、今までと同じ値段では同じものが買えなくなっちゃう。

これはつまり、お金の価値が減っているということでもあります。

だから大金持ちは、自分の財産を全部現金や貯金で持っているということはまずありません。

大体の場合、外国のお金とか金（GOLD)、株券や不動産などに資産を分散して、ガッチリ防御を固めているのです。