節約のし過ぎはケチのもと

景気が悪くなると、「節約術」がブームになります。

最近、テレビ番組やインターネットでも節約に関する情報がたくさん流されたり、節約術を解説したマニュアル本が出版されたりしているのも、みんながお金を使わないようにしようと考えているからなんでしょう。

でも、節約マニアになりすぎると、いつの間にか節約を通り越してケチになっているかもしれないので要注意です。

ある節約マニアの話

以前にテレビで、ある主婦の人の節約術が紹介されていた時の話です。

その人は、色々なことで節約することに情熱を燃やしている、いわゆる「節約マニア」だったのですが、料理をするときにお湯を沸かすためのガス代を節約する方法を考え、ある方法を思いつきました。

それは、お湯を使う順番を極限まで工夫して、お湯の温度を無駄にしないようにするというもの。

具体的に説明しましょう。

まず、野菜を煮るために使ったお湯は、それが料理に使えないものだったとしても捨てずにとっておく。

そしてそれを別の容器を暖めるのに使う、そうすれば一から温めるよりも少しだけエネルギーが節約できます。

さらに、そのお湯が完全に冷めないうちに(つまりぬるま湯のうちに)洗い物に使えば、汚れがよく落ちる・・・というように「熱エネルギー」を逃がさずに料理するのです。

そういうことを極限まで追求して、お湯を使う方法や順番を研究しているという話でした。

計算によると、そうやって工夫することで、普通にお湯を使うよりも一年間で250円くらいの節約になるんだそうです。

ケチと機会損失

この話を見て、私がまず最初に思ったのは「時間がもったいない!」ということ。

極限まで節約を追求して得られるのが年間250円なんて、あまりに効率が悪すぎます。

光熱費を250円節約することに情熱を燃やすより、内職でもして250円余計に稼ぐ方がずっと簡単で、時間もかかりません。

それが分かった上で趣味としてそういうことをやってるならいいんですが、それは節約術ではなくてただの「ゲーム」です。

節約するために必要以上の努力をすると、その分他のことをするチャンスを失うことを忘れてはいけないと思います。

お金持ちがお手伝いさんを雇うのは、単に楽をしたいからだけじゃありません。

お手伝いさんが家事をしてくれている間に、別の仕事でお手伝いさんの給料以上の仕事ができればその方が得だからというのも理由の一つなんです。

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