とっておいても腐らない

お金の持つ二つめの大きな能力が保存機能。

つまり、放っておいてもダメになったりせず、長い間保存しておけるということです。

当たり前のようですが、これもすごく大事な機能なんですよ。

もしもお金が腐ったら・・・

例えば、一万円札が「サバの切り身」だったらと想像してみてください。

それも燻製とかじゃなくて、生のまんまのサバの切り身に特殊なインクか何かで「日本銀行発行 一万円」って書いてある。

サバの一万円札、略して「サバ万券」です。

サバ万券は腐りやすいですから、当然お給料なんかもクール宅急便で届くのが基本です。

銀行に預けることも一応はできるけど、ATMを操作したらサバがたくさん出てくる・・・

手や財布が臭くなりそうですが、それはまだいい。
一番の問題は、放っておくと腐って使えなくなってしまうということです。

例えばあなたが農家だったとして、育てたジャガイモをお金に換えたいと考えたとき。

サバ万券がどんなに色々なものと交換できたとしても、せいぜい冷蔵庫で数日しか保存できないのでは、
「ジャガイモのままの方がいいや」
ということになってしまうでしょう。

でも、ジャガイモだってしばらくすれば芽が出て、価値がなくなっていってしまいます。
そうすると結局、せっかく作ったジャガイモは無駄になってしまう。

長年農家を続けていれば豊作の時もあれば不作のときもあると思いますが、もしもお金がサバ万券だったら、
「たくさん取れたジャガイモをお金に替えて取っておこう」
ということができませんから、へたをすれば飢え死にです。

世界の色々なところでこういうことが起これば、せっかくみんなで一生懸命働いても無駄になるものが多くなり、世の中が全体が豊かになりません。

だから、お金は放っておいても腐らない紙や金属のようなもので作ったり、電子データとして管理できるようにして保存機能を持たせておく必要があるのです。

遠い昔、貝殻や石がお金として使われていたことがあったそうですが、そういう素材が選ばれたのは、やっぱりお金に保存機能を持たせるために違いないのです。

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